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超音波検査装置を用いた特射な検査と治療

当院では悪性腫瘍の早期発見、診断のため2005年10月に穿刺病理診断可能な超音波内視鏡システムを県下では岐阜市民病院、岐阜大学病院に続き3番目、東海地区で8番目に導入し、内視鏡的診断治療にあたっております。

超音波内視鏡とは内視鏡スコープの先端に超音波プローベを装着した内視鏡で、食道、胃、十二指腸、大腸の内部より超音波検査(エコー検査)のできるシステムです。

この超音波内視鏡の使用により、消化管の悪性腫瘍の進達度検査、粘膜下腫瘍の診断、また一般の腹部エコーでは詳細な観察が困難な部位の消化管外の臓器(縦隔、膵臓、胆管、胆嚢、副腎、リンパ節、原因不明の腫瘤等)のより詳細なエコー診断が可能となりました。特に超音波内視鏡は腹部エコー、腹部CTに比べ膵臓の小病変の描出に適しており、膵臓疾患で疑わしき病変は積極的に検査をし、膵癌の早期発見につとめております。
この超音波内視鏡は観察のみでなく、超音波内視鏡下のより安全な生検も可能となりました。超音波内視鏡下吸引生検術(EUS-FNA)とよばれる手技です。
当システムはドップラー観察装置を有しており、これにより腹部の微細な血管走行も観察可能となり、生検穿刺ラインの安全なルートがとれるようになりました。この結果、これまでの内視鏡スコープでは病理診断が困難であった消化管粘膜下腫瘍、膵腫瘍、副腎腫瘍等の内視鏡的病理診断が可能となり、また従来試験開腹手術や縦隔鏡等の侵襲的な検査でないと病理診断が困難であった腹部骨盤腔や縦隔の原因不明の腫瘤やリンパ節腫大の非侵襲的な病理診断が可能となっております。

また、この超音波内視鏡を用いた内視鏡治療も可能となりました。たとえば、腹部癌性疼痛の緩和治療のための腹腔神経叢ブロックや膵仮性嚢胞治療、腹腔内膿瘍のドレナージ術、胆道ドレナージ等が可能となりました。

高山赤十字病院  消化器内科

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